最終更新: 2026-10-11
今週の発酵・醸造業界では、老舗の味噌蔵が新しい体験型ワークショップを始動させたほか、2年かけてもろみを熟成させる福井のしょうゆ蔵の仕込みが話題を集めた。あわせて、塩麹ブームを背景にした塩選びの提案や、味噌・醤油を起点に事業を広げてきた老舗企業の経営姿勢も注目された一週間だった。
味噌・醤油蔵
新潟・峰村醸造、6種の味噌をテイスティングする「味噌パレット」ワークショップを開始
NSGグループが報じたところによると、明治38年創業の新潟の味噌蔵「峰村醸造」(株式会社峰村商店)が、味噌を「知る・味わう・組み合わせる」新ワークショップ「味噌パレット」を始めたことが明らかになりました。参加者は6種類の味噌をテイスティングしながら特徴を確かめ、絵の具のパレットのように自分好みの組み合わせを容器に詰めていく体験型の内容だといいます。
同社は近年、味噌づくり体験や工場直売など産業観光にも力を入れており、原料や産地による味噌の違いを体感してもらう狙いがうかがえます。味噌は原料の配合や色によって味わいが大きく変わるため、味噌の種類ごとの特徴を知っておくと、こうした体験もより楽しめます。味噌の分類については「味噌の種類と違いを徹底解説|原料・色・味・地域別の特徴と選び方」で詳しく解説しています。
(情報元:NSGグループ)
福井の老舗しょうゆ蔵「岩尾醤油」、2年かけて熟成するもろみと蔵付き酵母菌の仕込みを公開
Yahoo!ニュース(福井テレビ)が報じたところによると、明治7年創業の越前海岸沿いのしょうゆ蔵「岩尾醤油」(福井県、6代目蔵元・岩尾秀宣氏)が、一般的なもろみ発酵期間が半年程度とされるなか、2年かけて天然の気候のなかで熟成させる製法を続けていることが明らかになりました。もろみは毎日底から撹拌する手作業が必要で、約150年にわたって蔵に住み着いた「蔵付き酵母菌」がまろやかな味わいと風味を生み出しているといいます。見学では撹拌作業や瓶詰め体験もできるそうです。
蔵に長年住み着いた酵母菌が発酵の個性を決めるという話は、しょうゆの製法や原料の違いを知っておくとより深く理解できます。しょうゆの種類ごとの特徴については「醤油の種類と違いを徹底比較|5つの醤油の特徴・使い分けを解説」で解説しています。機械化が進む醸造業界のなかでも、手間を惜しまず伝統製法を守り続ける老舗の姿勢が改めて注目されました。
(情報元:福井テレビ・Yahoo!ニュース)
発酵食品トレンド
塩麹ブームを背景に、ソルトソムリエが「塩麹に合う塩」を提案
ウォーカープラスが報じたところによると、沖縄の塩専門店「塩屋(まーすやー)」の日本初のソルトソムリエ・西山ますみ氏が、十数種類の塩から塩麹を試作したうえで「塩麹に合う塩」を提案したことが明らかになりました。試作の結果、総合評価が高かったのは「ちゃたんの塩」で、粒が小さくすぐ溶けるため手軽に仕込める点や、素材のうま味と甘味を引き出すまろやかな塩味になる点が決め手になったといいます。
塩麹は使う塩の種類によって仕上がりの味わいが変わるため、こうした専門家の視点は仕込みの参考になります。塩麹そのものの作り方や保存・活用のコツについては「塩麹の作り方と使い方を完全ガイド|失敗しないコツから醸造キャリアまで」で詳しく解説しています。
(情報元:ウォーカープラス)
業界ニュース
味噌・醤油問屋から120年、ティーケーシンが語る「食の編集」経営
ZUU onlineが報じたところによると、滋賀県で1905年に味噌・醤油の食品問屋として創業した株式会社ティーケーシンが、4代目代表の小澤讓氏のもとで業務用食品やOEM製造を経て、冷凍食品やフランス乳製品の日本展開へと事業を広げてきたことが明らかになりました。継承してきた技術をそのまま守るのではなく、時代ごとの需要に合わせて「食を編集する」という経営姿勢が、120年を超える事業継続の核になっているといいます。
味噌・醤油という発酵食品を起点にしながらも、時代の変化に応じて業態を柔軟に変えてきた同社の歩みは、発酵・醸造業界で長く事業を続けるためのヒントとしても読み解けます。
(情報元:ZUU online)
今週の発酵・醸造業界まとめ
| カテゴリ | 主なトピック | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 味噌・醤油蔵 | 峰村醸造が体験型ワークショップ「味噌パレット」を開始 | 6種の味噌をテイスティングし好みに組み合わせる体験設計 |
| 味噌・醤油蔵 | 岩尾醤油が2年熟成のもろみと蔵付き酵母菌の仕込みを公開 | 一般的な半年の約4倍の期間をかける天然醸造へのこだわり |
| 発酵食品トレンド | ソルトソムリエが「塩麹に合う塩」を提案 | 塩の種類が塩麹の仕上がりを左右するという専門家の視点 |
| 業界ニュース | ティーケーシンが120年の「食の編集」経営を語る | 味噌・醤油を起点に時代ごとの需要へ柔軟に業態を広げる姿勢 |
今週は、老舗の味噌蔵・しょうゆ蔵が原料や発酵プロセスそのものを「見せる」「体験させる」取り組みを進めたことが目立った。峰村醸造のワークショップも、岩尾醤油の蔵見学も、普段は裏側にある発酵の工程を消費者に直接伝える試みという点で共通している。
一方で、塩麹に合う塩の提案や、味噌・醤油問屋から事業を広げてきたティーケーシンの歩みは、発酵食品そのものだけでなく、それを取り巻く「使い方」や「事業のかたち」にも目を向けさせる話題だった。伝統製法を守りながらも、体験・提案・事業展開の形を更新し続けることが、発酵・醸造業界で生き残るための共通項として見えてくる一週間だった。
来週以降も、各地の蔵で本格化する秋の仕込みシーズンの動向や、発酵食品を軸にした新しい体験・商品の展開に引き続き注目していきます。
参考記事
- NSGグループ「新潟の味噌蔵『峰村醸造』明治38年創業・食文化ミュージアム認定味噌を『知る・味わう・組み合わせる』新ワークショップ〜自分だけの味噌パレットをつくろう〜」(2026-10-06)
- 福井テレビ(Yahoo!ニュース)「明治7年創業の老舗しょうゆ蔵 2年かけて熟成するこだわりの工程を体験『蔵付き酵母菌』が生み出すまろやかな味わいと風味」(2026-10-08)
- ウォーカープラス「ブームの『塩麹』、ソルトソムリエが選ぶ”塩麹に合う塩”とは?」
- ZUU online「味噌・醤油から冷凍食品へ。ティーケーシン・小澤讓代表が語る、120年続く『食の編集』の経営」(2026-10-09)


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