塩麹に合う塩の選び方|精製塩と天然塩で発酵・風味が変わる理由

塩麹に合う塩の選び方|精製塩と天然塩で発酵・風味が変わる理由 漬物・発酵食品

最終更新: 2026-10-20

塩麹に向いているのは、ミネラルを含む天然塩(海塩・岩塩など)で、精製塩よりも発酵が安定しやすく、風味にも深みが出ます。特に重要なのはマグネシウムの含有量で、麹菌の酵素が働きやすい環境をつくるとされています。一方で粒が大きすぎる塩は溶けにくく仕込みに時間がかかるため、「天然塩であること」と「粒が細かく溶けやすいこと」の両方を満たす塩を選ぶのが実践的なポイントです。この記事では、塩の種類で発酵・風味が変わる理由を発酵の仕組みから解説し、実際に複数の塩を使って試作した事例もあわせて紹介します。

なぜ塩の種類で塩麹の発酵・風味が変わるのか

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塩麹は、米麹の麹菌(Aspergillus oryzae)が持つ酵素がデンプンやタンパク質を分解しながら、塩と水とともに1〜2週間発酵・熟成してできる調味料です(基本の仕込み方は基本の塩麹の作り方・使い方で解説しています)。この発酵の進み方が、使う塩の成分によって変わります。

塩の専門家で、一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事の青山志穂氏は、精製塩と天然塩の違いについて、精製塩はナトリウム以外のミネラルがほぼ除去されているため発酵が進みにくく味が単調になりやすい一方、天然塩(海塩)はマグネシウムを含み、これが麹菌の働きを助けて発酵を活性化すると解説しています。反対に、カルシウムを過剰に含む塩は麹菌の働きを抑え、発酵が進みにくくなる可能性があるともしています。

この見解は青山氏個人の経験・知見に基づくもので、精製塩と天然塩を比較した学術的な数値データとして確認できたものではありません。ただし、麹菌の酵素反応がミネラル環境に影響を受けるという方向性自体は、麹の酵素が原料を分解して味をつくる仕組み(詳しくは麹の酵素とは?で解説)と矛盾しないため、塩選びの実践的な目安として紹介します。

精製塩と天然塩(海塩・岩塩)の違い

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項目 精製塩 天然塩(海塩・岩塩)
ミネラル含有量 ほぼナトリウムのみ マグネシウム・カリウム・カルシウムなどを含む
塩麹の発酵への影響 進みにくく、味が単調になりやすいとされる マグネシウムが麹菌の働きを助けるとされる
風味の特徴 クセがなくシャープな塩味 まろやかで奥行きのある塩味になりやすい
価格・入手性 安価で入手しやすい 製品によって価格差が大きい

味噌づくりでも塩は大豆・麹と並ぶ基本原料として発酵の進み方に関わります(味噌の原料とはも参考にしてください)。塩麹の場合も考え方は同じで、「ミネラルを含む塩を選ぶ」という方向性は味噌・塩麹どちらにも共通します。

塩の専門店が十数種の塩で塩麹を試作した結果

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塩の専門知識を持つ店舗が、実際に十数種類の塩を使って塩麹を試作し、用途別におすすめを選んだ事例があります(沖縄の塩専門店「塩屋(まーすやー)」による試作、ウォーカープラス掲載)。

用途 評価が高かった塩 選ばれた理由
基本の塩麹 ちゃたんの塩 粒が小さくすぐ溶け、まろやかな塩味と素材のうま味・甘みを引き出す
鶏肉の塩麹漬け 雪塩 肉が軟らかくなり、甘みと深みのある味わいになる
塩麹での浅漬け あっちゃんの塩 野菜の甘みが強く出る

この試作結果は塩屋が実際に比較した一例であり、すべての天然塩で同じ結果が出ると保証するものではありません。ただし「粒が小さく溶けやすい塩は仕込みやすい」という点は、どの天然塩を選ぶ場合にも共通して意識したいポイントです。粒が大きい岩塩などを使う場合は、すり鉢で細かくするか、仕込み前に少量の水で溶かしてから米麹と合わせると、ムラなく発酵が進みます。

鶏肉の塩麹漬けは鶏肉の塩麹レシピ5選、野菜の浅漬け的な使い方は塩麹きのこの作り方でも具体的なレシピを紹介しています。

塩麹作りで気をつけたい3つのポイント

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1. 精製塩だけに頼らない: ミネラルがほぼ除去された精製塩は、発酵が進みにくく風味も単調になりやすいとされています。普段の料理用の塩とは別に、塩麹用に天然塩を1つ用意しておくと仕込みが安定します。

2. 粒の大きさを確認する: 粒が粗い塩は溶けるまで時間がかかり、麹全体に塩分が均一に回らないことがあります。細粒タイプを選ぶか、使う前に細かくしておきましょう。

3. 塩分量は塩の種類で変えない: 塩の種類を変えても、米麹に対する塩の割合(基本の塩麹の作り方で解説している目安)は変えずに仕込むのが基本です。ミネラルの違いは発酵の進みやすさ・風味に影響しますが、保存性を左右する塩分濃度の目安は共通です。

まとめ:塩麹の塩は「天然塩×細粒」を目安に

  • 精製塩よりもマグネシウムなどのミネラルを含む天然塩(海塩・岩塩)が、塩麹の発酵・風味の両面で向いている
  • 粒が小さく溶けやすい塩を選ぶと、仕込みがムラなく進みやすい
  • 用途別(基本の塩麹・鶏肉用・浅漬け用)でおすすめの塩は異なり、試作事例も参考になる
  • 塩の種類を変えても、米麹に対する塩分量の基本比率は変えないのが安全

塩麹の基本の仕込み方からおさらいしたい方は基本の塩麹の作り方・使い方を、発酵の仕組みをさらに詳しく知りたい方は麹の酵素とは?もあわせてご覧ください。

参考情報

  • 日本ソルトコーディネーター協会 代表理事・青山志穂氏「塩麹を作るときにおすすめの塩5選と選び方のコツ」(確認日: 2026-10-20) https://saltcoordinator.jp/shiokouji/
  • ウォーカープラス「ブームの『塩麹』、ソルトソムリエが選ぶ“塩麹に合う塩”とは?」塩専門店「塩屋(まーすやー)」の試作事例(確認日: 2026-10-20) https://www.walkerplus.com/article/28494/


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